子どもの頃、母親に「あなたを産む時は、○時間もかかって、痛くて痛くてねぇ」なんて話を聞かされた人もいるのではないでしょうか。

女性であれば、一度は母親から出産の時の思い出話を聞くものです。それを聞くと、まるで何時間も続けてずっと痛いかのようです。ですが、そんなことはありません。痛みは押し寄せたり凪いだりしながら、続くもの。痛みが凪いでいる時には普通に会話もできますしトイレにも行けます。それに、痛み自体も自分の内側から来るもの。「小指をぶつけた時とどちらが痛いか」と言っても別物ですから比べられないものです。女性の体は、出産のための準備を何年も前から始めていて、そのひとつが生理痛です。生理痛は、出産の時の痛みの準備なのだとも言われています。ですから、必ず乗り切れます。

しかし、実際に持久戦であることに違いはありません。初産の場合、出産に要する時間は平均で14~15時間。正常なお産とされる時間は30時間以内です(規則的な陣痛を感じた時をお産の開始とします)。この間、やって来ては去り、またやって来る痛みと付き合うのです。痛みというのは、案外体力を奪うものです。そして最後、いきんで赤ちゃんを体外に出す時にもっとも体力を使います。初産の場合は1時間半くらいがかかる時間の目安です。その間、補助してくれるお医者さんや看護士さん、立会い出産の場合はパートナーなどはいますが、痛みと闘って体力を使うのは産婦本人です。

このような正常な出産でもかなりの体力を使います。学生時代の部活動で文化部に所属していた人は「今までで一番体力を使った」と言う人も多いのです。逆に体力の塊とも思える女子プロレスラーの人たちの出産後のコメントでも「プロレスより大変だった」というのもよく見かけますね。

それだけではありません。もし、出産中にあまりに産婦さんが疲れてしまうと、陣痛が遠のいてしまうこともあるのです。これは、赤ちゃんと産婦さんの両方の命に関わる問題です。順調に出産を進めるためにも、体力はできる限りつけておきたいものなのです。

しかしながら、これだけ大変なものであっても幸せで、「また産みたい」と思ってしまうのが不思議なところです。女性の体がそうできていると言ってしまえばそれまでですが、この神秘を身をもって知ることができるというのは、3度目でも出産が楽しみになってしまう理由かも知れません。



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